この仕事で儲けるのは難しい。
- 寿秋 横尾
- 4月7日
- 読了時間: 3分
テキスタイル、プリント図案の外注の仕事を何十年もやっているが、どうにかこうにか、たまたま運が良いだけなのか今まで生き抜いてこれた。ではそのコツは何か?!そう問われればこう答えよう。寧ろ私が知りたい!誰か教えてくれないか?勿論私の知る知識だけではこの仕事で、大儲けといういのは程遠い。どこぞの誰かはもっと別の方法で大儲けしているかもしれないが、私はその方法を知らない。勿論金儲けがしたくてやっているのかと問われれば、実はそうでもない。自由に生きて、多少自由になる金銭を得て、相手が喜んでくれればそれ以上の物はいらないと思っている。不思議なもので、この仕事を続けていると、新規の顧客を得ると5年目くらいにピークを迎え、それ以降は仕事も減っていく。それは私の能力不足なのでは?と思われるかもしれないが、そんな単純なものでもなかったりする。寧ろ能力不足が原因なら、私の努力で解決できればそれは容易い事かもしれない。
もう20年くら位前だろうか、講師をしていた時に学生に、某ガ◯ダム好きな生徒がおり、なんとなく彼に自慢したかったのか?邪な気持ちもあったりしながら、ある会社にコンタクトをとってみた。その会社は取説を作っている会社で顧客の一つに某バ◯ダイがあった。当時は私の様な人間が新規の顧客を得るためにはその会社に直接メールを送って云々、、と言う流れで比較的簡単にアポを取ることができた。今は就活でも間にエージェント会社を経由してというややこしい流れが出来上がってしまっているため、新卒の学生や企業にとっては良い事かもしれない反面、個人で営業までやって顧客を得るという事業主はさぞかし大変だと思う。話を戻そう。今まで取説の仕事などやったこともない私が単純に他人よりも少々絵が得意というだけで、その会社と上手いこと契約を結ぶ事ができ、取説の仕事を私はゲットしたのである。当時は取説を作る際には3DCADのデータを見やすくするためにIllustratorで線に強弱を加えトレースしていく仕事だった。(その様なイラストをテクニカルイラストという)なんだかんだで、15年ほどガ◯プラの取説を書く仕事をやったのだが、ある年からバ◯ダイ様の意向で今後取説はIllustratorによるトレースから3DCADからのレンダリングに変更するとの事であった。その後は急速に仕事も減少していったのだが、この様にどうやった所で対応不可能な事で仕事を失う事もあったりする。その頃はかなり忙しく毎晩1時2時くらいまで仕事をしていたのだが、こんなハードな日常はそれは度長い事続けられないと思っていた。それは逆に健康面を考えると仕事がなくなる事も良い機会ではあったのだ。勿論取説の仕事は相手が巨大企業で、国民的人気商品を設計し製造販売していたため15年もの間外注で仕事を頂く事ができた。また取説を作っている会社の皆様も親切な方ばかりでテクニカルイラストの何たるかも分からない私に長い事付き合ってくれた事に感謝しかない。今思えばイラスト的におかしな部分も多々あったに違いない。それはさておき天下の大企業様相手でも時代の流れと共に時には仕事を失う事もある。その後は新規のアパレルメーカーの顧客を得てもやはり5年ほどでピークを迎え長くても10年くらいで、会社そのものがなくなったり、もっと言えば担当が辞めただけでも、その会社との付き合いがなくなったりすることもある。そこそこ苦労してホームページを作り、SEOがどうだこうだ言ってやっと顧客を得ても、失う事は容易いものである。とは言え個人事業主の利点はある程度定期的に仕事を依頼してくれる新規の顧客を年に一件、欲を言えば二件得るだけでも年収は跳ね上がり大成功と言える。そうして年に1件のご依頼主を求めて時にホームページに何か新しい工夫は無いかと試行錯誤するのである。
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