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結構酷い会社の話

更新日:4月10日

もう何十年も仕事をしていて、今でこそお付き合いのあるお得意様からのご依頼は修正も殆ど無く、尚且つかなり自由にやれせて頂いているが、幸せな現在に至るまでは、それはもう、酷い客もいくつかあった。支払いの時に逃げてしまうなんてことはよくある話であるが、その場合依頼された仕事の量次第では、まぁしょうがないと諦めもつく。そうした中で一番ひどかったのは、そこそこ有名な国内生地メーカーからのご依頼で、当初は知り合いにその会社を紹介されて始めた仕事だったのだが、初っ端から時間も守ってもらえず、嫌な予感しかしなかった。それでも実際に会って話をすると、それ程感じの悪い方たちではなかったので、なんとなくそこの会社との付き合いが始まった。初めてその会社を訪れた際に企画の女性が、他に依頼している図案制作会社の図案を見せてくれた。その図案というのが、まぁ、言い難い話であるがなんとも酷いもので、絵の具で背景を適当に塗りたくったものに、白黒画像のコピーを切り貼りしたものであった。長い事この仕事をやってきて、同業者のここまで酷い図案を見たのは初めてだあった。だがその図案がどうしてそんなに酷いものなのかは数週後に判明した。そこの会社の依頼というのは、メーカーからの話を煮詰めていない状態でとりあえず頼んで、気に入らなければ何度も直させると言うスタンスだった。私の所で引き受けた図案はスカート一面にプリントするパナネル柄と他に数点の依頼だった。初めてのお客さんという事で、それはもう気合を入れて良い物を書こうと思いながら仕事をしたのだが、いざ商品を納めると、即座にサイズを変えて欲しいという修正が来た。で、なんだかんだで3回以上にわたってサイズの変更をさせられた。等倍の拡大縮小なら何ら問題は無いのだが、それら全て変倍でありそのたびに図案のレイアウトの変更を余儀なくさせられた。そんな事は依頼する段階で分かることだろうに、なぜメーカーと打ち合わせをしないのだと疑問に思った。また大幅な修正になるので、当然修正費を頂かなくてはこちらとしてもやってはいけない。その旨を伝えると修正費は請求して下さいとのことであった。その後打ち合わせでもう一度その会社を訪れると、上司と企画の女性の会話が聞こえてきた。上司は女性になんでそんなに図案が高いのだ!と怒っている。(あんたらが、ちゃんと仕事をしないで、その場しのぎの行き当たりばったりの修正ばかりさせるからだと心の中で思った。)企画の女性は理由は一切説明せずにもう頼まないからいい!と逆ギレでしていた。そうか、同業者の図案があんなに適当なものだったのは、そういう事だったのかと納得した。どうせ真剣に書いた所でこの会社の手際の悪さや、手を抜いたメーカーとの打ち合わせにより何度となく修正をさせられてしまう。ならば、とりあえずは適当に描いたものを収めれば良い!

私はその時この会社は付き合ってはいけない会社だと悟った。他にも数点図案を引き受けていたがそのいずれもエンドレスな修正を食らっていた。相手に喜んでもらえるように、期日よりも何日も前に図案を送っていたが、最後には企画の女性から送ってくれるのが早すぎるとクレームを入れられた。その女性は自分は何も悪くない。悪いのは全て他人のせいというスタンスの人であったのだ。なんでも良いからとりあえず文句を言う!私も即納して文句を言われたのは後にも先にもあの人だけだ。と言うか、そんな理由で文句を言うといのも普通は恥ずかくて言えないものだ。こんな事を言うのはちょっと申し訳ないが業界でも屈指の安月給と言うわれている会社にはそれなりの人材しか集まらないと言うことなのか、色々な意味で納得である。話は変わるがその当時講師をしながらフリーで図案を描いていたのだが、勤務先の専門学校に元大手アパレルデザイナー出身の助手がいたので、この話したところ、あ~あの会社ですがぁ、、私が会社にいた時に付き合いがあったんですけど、最初は年に20マークぐらい頼んでいたんですけど、あまりにも酷いので年々依頼数が減り最後は無くなりましたと言っていた。仕入先にも顧客にも嫌われるとは、正に付き合ってはいけない会社だったのだ。その後私はびた一文値引きすること無く請求書を送りあの会社を紹介してくれた方に折角紹介してもらったのに、あまりに酷くて取引をやめた話を伝えたのである。知り合いの営業はそんな会社だっとは知りませんでしたとえらく驚いていた。

 
 
 

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